上智大学と全国のカトリック高校の連携協定のもと、学びで高校生と大学を接続するプログラムの1つとして、上智大学Sophia Future Design Platform推進室とSophiaGEDが、タイ・バンコクをフィールドとする高校生のスタディーツアーを企画・実施。
4期目となる2025年度夏季シーズンは、Aグループ7月20日〜25日、Bグループ8月3日〜8日の2日程の開催で各日程30名、合わせて60名の高校生が全国の連携協定校39校から参加しました。


「新しい環境・機会を自分に取り入れ、学びや力に変える」
本プログラムでは、自分の目的意識や自律的な学び方がより重要となる大学への接続を目指して、「自分たちで自分の学びを創る意識や、新しい環境での経験を自分の学びとして取り入れる力を伸ばすこと」を目標に置いています。
❶ 多様な経験・体験 – 自らの経験をもって実践的・多角的に考える
渡航プログラムとして、自らの経験を持って考え学ぶことを重視。寺院・地域コミュニティ・大学・日系企業/団体・商業地・スラム地域支援団体など多様な層にわたる訪問先を取り入れ、現地の方々やタイで活動する日本の方々との対話や交流・現地活動など、能動的に取り組む活動や体験ベースで学べる機会を持ちました。
タイのトップ大学、マヒドン大学(Aグループ)・タマサート大学(Bグループ)訪問では、現地教員による英語レクチャーや、現地大学生との交流を通じ、大学での学びやタイ文化を教えてもらったり、ディスカッションに取り組みました。
企業/団体訪問では、上智大卒業生でタイでグローバルに活躍するAsian Identity Co., Ltd.の中村勝裕様を訪ね、キャリア形成や異文化での生活・仕事等についてお話を伺い、将来への刺激を受けました。
コミュニティーの訪問では、地域の方々に教わりながらタイの伝統菓子作りや工作を体験。文化体験に加え、住⺠の方が暮らすエリアの環境や雰囲気を観察・感じ取りました。スラム地域の支援団体シーカーアジア財団様の訪問では、日本人スタッフの方にお話を伺うことに加え、地域を実際に歩き、暮らしの様子に触れつつ、住民の方々と挨拶を交わしたりし、多様な立場の人に直接関わりながら実態を見て考えました。
自らの経験を持って多角的にタイを捉えたり、多様な経験から 個人に応じて学ぶポイントを見出したりできるよう、思考の材料となる多くの経験・実体験を重ねました。








❷ 自律的な活動実践 – 自分の意志で学びや活動を創る力をつける
大学や将来に向け、自ら考えて動く力、自由度を活かして学ぶ力を意識。大学や団体訪問など比較的内容まで設定されたプログラムに始まり、徐々に自分達で目的や手段を決めて現地に飛び込んでのフィールドワークなど自律的な活動へ移行。参加者みんなでルールを決めての自由行動時間も設定しました。
責任や難しさも含めて自律的な活動の面白さを経験し、できることが増える自信もつけながら、先への姿勢に繋げました。




❸経験の言語化・構造化 – 自分の経験や思考を整理・認識して学びに変える
経験や思考を言語化・記録、構造化し、自分の学びを意識的に捉える学習活動を、全体を通した軸としました。プログラム用に作成したワークブックを用い、自分のミッションを言語化してから開始したり、貴重な経験や思考は日々の活動記録として毎晩ホテルで各自しっかり記録。最終日のまとめセッションでは書き溜めた記録を付箋に書き出して俯瞰し、全体の学びを可視化・構造化することで、自分にとっての学びや成⻑をとらえることを試みました。
「紙がこんなにうまると思っていなくて驚き!知らない間に成長したんだと気づいた」と実感もあったようです。




❹ 参加者同士の交流と学び合い
全国各地から集まった異なる学校のメンバーが、渡航前からのLINEグループやガイダンスでの交流、協働的な現地活動を通じて関係を深めていきました。
新しい人間関係を築きながら経験を共にする機会が、高校生にとって普段と異なる刺激や世界の広がりとなっていました。




高校生のみなさんは、現地でのさまざまな体験や人との関わりから、タイや異文化への理解や新しい物事へ向き合う姿勢を伸ばしていました。
<異なる国の文化・社会への興味、探究的思考>
- 一番嬉しかったことは、海外で学ぶ方法がわかったことです。留学先でどう学ぶのか分かっていませんでしたが、こうすればいいんだ!と納得でき、プログラムで得たことを他の国にも活かしたいです。
- 行く前の自分はタイへの偏見があったりしたけれど、実際に訪れて、「実際に自分の目で確かめる」ということが大切だと感じました。タイの良さや文化の違いを知って、もっと追求したくなりました。
- 「何という名前か」「何に使うのか」など疑問を放置せずわかるよう努力しました。ささいなことにも目を向けて興味関心を持って過ごすことができ、努力の分だけ濃くなったと感じます。
<人との関わりでの気づき・成長>
- 自分の殻を破ることでより世界が広くなり、吸収できることが増えると思い、自分の意見を言ってみたり、話したことない人と話してみたり、自分なりに挑戦することができました。
- 全国から来ている友達に会い、常識だと思っていたことが違い、同じ学校のプログラムではなかったから気づけたことがありました。タイに違う点がある一方で共通点があるように、日本人でも違うところもあり、「タイ人だから違う」「日本人だから一緒」という考え方でなく、「人はみな違う」ということを意識して大事にしていきたいと思いました。
また、プログラム参加全体を通じて、学ぶことへ対する意識や、自己認識や学習観・将来観に関する気づきや変化があったことが窺えました。
<自己理解・自己効力感の変化>
- 文化や環境だけでなく、タイで「やったこと」が印象に残っていて、特に「チャレンジしたこと」「できたこと」は嬉しいしこれからも忘れないと思います。
- 新しくできた友人との交流や、初めて学ぶタイの文化を通じて改めて自分を見つめ直し、自分が人と関わることや海外が好きだと知ることができたり、たくさん悩むことも悪くないと思ったりと自分の理解も深まった忘れられない旅になりました。
- マインドの変化として“自分の殻をやぶれた”ということが大きいです。自分と外の関わりを通じて、今まで向いていなかった外への視野が開けたと思いました。やりたくないことや無駄に傷つくことはしない姿勢で生きてきたけれど、あれもこれもやってみると楽しい!ということに気づけました。楽しめる心があれば人生変わるものだなと思います。
<今後の学びの指針・将来への展望>
- 限られた時間の中で、自分がどれだけ学びを得られるかという方法を知ることができました。思ったこと、疑問に思ったことを日々のノートに書き留めておくことで、今までは難しかった目標設定や何を得たかを振り返った時にすらすらと出てくるようになりました。
- 目標を見つけるためにも見つけた後も、プログラムで学んだことを思い出して学習の楽しさや挑戦の面白さを忘れないようにしたい。学校での学びにも関連づけて、「机の上の勉強」からさらに深く学べるようにしていきたい。
- 自分を見つめることで、未来が輝くと思いました。自分の強みを知り、自信を持って行動できるような人になりたいです。楽な方・安心な方を選ぶのではなく、常に誰かの役に立ちたい、ワクワクしたい、成長したいという思いを忘れずに頑張っていきます。
高校生のみなさんの、これからの学びや自分の世界を広げていく力に繋がることを願っています。
SophiaGEDも、高校生のみなさんと新しい学びの場に挑戦できた貴重な経験を、今後の活動に繋げていきたいと思います。
第5期は、2026年3月下旬に予定しています。
