2023年2月10日(日)〜2月20日(火)にわたり、北海道教育大学函館校 国際地域学科の学部生のみなさんを対象としたスタディーツアーを実施しました。
今年度は、学部2,3年生の12名が参加しました。
このプログラムでは、有井先生のご専門でもある地域研究の学び方を軸にしながら、 タイのバンコクおよび北部タイのチェンマイの山地民の方々が暮らす地域をフィールドに、現地の生きた姿を実体験を通じて自分の力で捉えていきます。
実際に多様な事象を見聞きしたり体験したりし、そこから思考を働かせながらタイへの理解を深めるとともに、地域を理解するフィールドワークのスキルも伸ばすことを目指します。
バンコクでは、大学(チュラロンコン大学)、仏教寺院(ワット・ポー)、多文化共生エリア(中華街・アラブストリート)など、様々な地域を訪問し、多角的にバンコクを捉えました。それぞれの地域の豊かな文化や特徴を捉え、中華街エリアではミニフィールドワーク実習に取り組み、各自の視点でフィールドノーツを取りながら観察し、地域を捉える目や技術を実践的に学びました。
加えて、タイの学生とグループでフィールドを探索する1dayフィールドワークも実施し、現地で実際に自分の足と五感を使ったり人との出会いを通して新しい地域を知る面白さを体感しました。
続いて北部タイチェンライ県へ移動し、有機農業でのコーヒー豆の生産・加工などを通じ、山地民の方の支援に長年携わられている中野穂積さんが運営するルンアルンプロジェクト(暁の家)の施設や活動地域を訪問し、バンコクとはまた異なる地域の様子を学びました。
山の斜面に広がるコーヒー農園で、実際の作業をさせていただき、地域性や人々の暮らし・活動を感じ取っていきました。また、プロジェクトがかつて運営していた学生寮の卒業生やプロジェクトを知る近隣の高校生が集まってくださり、ゲームやダンスでの交流会も開いていただきました。
また、山地民の方が暮らすパーキア村では、モン族とラフ族の方がそれぞれ暮らす集落で複数の家に分散し、2泊のホームステイ体験をさせていただきました。
美しい自然に囲まれた村で、素朴で美味しいごはんを味わい、日中は山を歩きながら土地に根付く知識や文化を教えてもらったり、川での魚取りや料理などにも挑戦しました。様々な活動に取り組んだり、民族の言葉も教わりながら積極的にコミュニケーションを試みたりしながら、それぞれの視点や興味で村の暮らしを捉えていきました。たくさんのメモが溜まっていくフィールドノーツからも、地域や相手のことを知りたいという真摯な思いが窺えました。
最終日は、チェンマイの町での寺院やナイトマーケットや訪れた後、最後の振り返りとしてプログラムを通じて得た各自の様々な気づきや今後への思いなどの共有を行いました。10日間という短い間ではありながらも、それぞれしっかり自分の目、体感を通じてタイを深く捉えていました。
タイでの経験がみなさんの興味の広がり・深まりや、世界を捉える目の豊かさにつながっていると良いなと思います。
参加してくださったみなさん、プログラムの運営にご協力いただいみなさま、ありがとうございました!